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リシン (毒物) : ウィキペディア日本語版
リシン (毒物)

リシン (Ricin) は、トウゴマ(ヒマ)の種子から抽出されるタンパク質である。ヒマの種子に毒性があることは古くから知られていたが、1888年エストニアのスティルマルク (en) が種子から有毒なタンパク質を分離し、リシンと名付けた。
== 概要 ==
猛毒であり、人体における推定の最低致死量は体重1kgあたり0.03mg。毒作用は服用の10時間後程度(たんぱく質合成が停止、それが影響していくことによる仕組みのため)。リシン分子はAサブユニットとBサブユニットからなり、Bサブユニットが細胞表面のレセプターに結合してAサブユニットを細胞内に送り込む。Aサブユニットは細胞内のタンパク質合成装置リボゾームの中で重要な機能を果たす28S rRNAの中枢配列を切断する酵素として機能し、タンパク質合成を停止させることで個体の生命維持を困難にする。この作用は腸管出血性大腸菌O157の作るベロ毒素と同じである。
吸収率は低く、経口投与より非経口投与の方が毒性は強いが、その場合の致死量はデータなし。戦時中はエアロゾル化したリシンが、化学兵器として使用された事もある。
また、たんぱく質としては特殊な形をしているため、胃液膵液などによって消化されず、変性しない。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「リシン (毒物)」の詳細全文を読む



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